LIBERTY
 
konomi's lonely room
 



Hating...

どうしてだろう


黒い塊を一瞬でも思い出すと







急速にそれはやって来る。







もうずっと前のことなのに今でもまだ蝕もうとする。






もうこれは一生離れられない物体なんだろうか。

























第一公園の奥。

しけった木の机と椅子。


涼しい夏の夜。

沢山の木々に囲まれて

まだ若い私たちは緊張感と高揚感に包まれていた。


一番安い缶チューハイを大量に買い込んで10数名で飲み会を開いていた。


もちろん未成年。
中学生の頃だったかな。



原っぱにはサックスの練習に来ていたおじさんが「夜空ノムコウ」を演奏していた。


すごく上手だった。





空は星が沢山輝いていてすごくキレイだった。




知らないおじさんだったけどお酒のせいもあってか一緒に歌ってた。

楽しかった。



当時好きだった人も一緒に歌っていて



何だか幸せだった。






ずっとこの時間が続けばいいと思った。
































なのに。











今思い出すと途端に脳が悲鳴を上げ瞼が痙攣を始める。









思い出したくないのに次々と残像が浮かんで止まらない。






次第に胃痛と眩暈と吐き気に襲われる。









サックスやあの安い缶チューハイですら嫌いに思える。




好きだったあの人ももう会いたくない。







ただ歌っていたかっただけなのに。




楽しかったで終わるはずだったのに。








あの瞬間ほど神を怨んだことは無かったかもしれない。





本当に忘れたい。

悪夢は続く。

一度じゃ終わらなかった。





だんだん嫌でも思い出してくる。












あぁ。
手の痙攣が始まった。

胃が痛い。













「事」が終わってから好きだった彼に言われた言葉。

一生忘れない。











「見たくなかった。」








逃げ出したの覚えてる。


サックスのおじさんはもういなくて。

空がきれいだったかはもうわからない。


ただしゃがみこんで耳をふさいで目を閉じてた。







あたしがやったその「事」よりも彼が言った言葉が悲しくて頭を支配していた。









やりたくなかった。

あたしだってやりたくなかったよ。

どうして止めてくてなかったの?

あの人達が怖かったから?

あたしも同じだったよ。

やりたくなかった。

けどやらなきゃ終わらなかったでしょ?

やれば終わったでしょ?

他の人がやるならあたしでいい。悲

しくても辛くてもどんなに嫌でも。

誰かがやらなきゃ終わらなかったでしょ?

わかってたはずだよ。

どうしてそんなこと言うの?








頭の中はめちゃくちゃだった。


今思えばたいしたことじゃない「事」。

だけど口にしたくはない「事」。

決して忘れない「事」。




どうしてたまに蘇るんだろう。

確実にあたしの脳を壊しにやってくる。



07/12(火)18:26 | トラックバック(0) | コメント(0) | *サモトラケのニケ* | 管理

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