| Hyperpnea... |
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 ８月７日 日曜日
明日は休み。
一昨日抜歯した親知らずのせいか微熱が出て目眩も酷かった。
１Ｆで仕事するようにと専務に言われて一日１Ｆにいた。
１Ｆでの仕事は苦手。
たいして内容は変わらないけど、慣れてない分やっぱしんどいし、いろいろ面倒。
正直不動産業務については全くわかんないし。
ただでさえしんどくてたまに画面が暗くなるほど。
気持ち悪さなんかここ一番で吐きたくて仕方なかった。
でも明日は休み。
そう思って頑張った。
一日天気は不安定で
帰りは運悪くどしゃ降り。
濡れながらもチャリでいそいで帰った。
家に着く頃には幾分吐き気は落ち着いて
目眩もほとんどなかった。
少し熱が残ってる位。
しんどかったけど
最近は車通勤していたヒデが
今日はチャリで出勤していたので
迎えに行こうと決めてた。
ご飯作る元気ないし
どっかで済まそう。って。
いつも迎えに行く時は１０時前に出るけど
今日はドラマ見てたら遅くなってしまって１０時過ぎ。
少し急ぎ気味で町田まで車を飛ばした。
だいたい半分位まで行った時
ヒデから電話があった。
「今日は先輩とご飯してくる。」
よくあること。
残念だったり
まだ着いてないから調度良いと思ったり。
飲みはしないからそんな遅くはならないとのことだった。
家に戻るのも何だったから少しならいっかと思って待つことにした。
町田に着いたのが１１時前だったかな。
時間つぶしのために携帯ゲームに熱中。
熱中熱中熱中。
気づいたら携帯の充電がかなり少なくなっていた。
時間は１２時を過ぎていた。
まだかな。
連絡がとれなくなるのが一番最悪。
携帯ゲームをやめてぼーっとしてた。
車の中はやたら暑くて
夜なのにすごい汗かいて
少し窓を開けた。
その時から
少し変だった。
体調が悪かったのに上乗せして
ぼーっとしながらいろんな人を見た。
楽しそうなカップル
音楽聴いてる男の人
ボードが上手な男の子
サラリーマン
いろいろ見て
いろいろ考えてたら
何の為に今ここにいるのかわからなくなってきた。
考える程気分的に落ちてきた。
何してんだろって。
ヒデは
もしかしたら女と居るんじゃないかとか
そのへん女と歩いてたらどうしようとか
連絡なくもう帰ってたりしたらどうしようとか
何で途中で引き返さなかったんだろうとか
無駄なことをいろいろ考えた。
考えてたら呼吸がどんどん速くなっていった
荒くなっていった
またこれか。
わかっていたけど止めようと思わなかった
なんだか呼吸困難になりたい気分だったのかもしれない。
異常。
あっという間に呼吸が更に速くなって
すぐに手先が痺れてきた。
でももう止まらなかった。
足先
両腕
どんどん痺れは広がった
背中にきた頃にはもう
手先は硬直して動かせなかった
頬にきた時に
さすがに恐怖を感じて
かすかに動く腕をうまく動かして
ヒデに電話した。
いつもそう。
ヒデの声を聞くと安心するのか
息苦しさが悪化して
涙が止まらなくなる。
そうなったらもう手はありえない痛みを帯びて
ピクリとも動かせない
左手の薬指が異常に痛くて
でも伝えることすらできなかった。
舌も痺れてあーあーしか言えない
焦ったヒデに何とか伝えたのは
「いつものとこ･･･いる」
「いうおよおお･･･いう」
もちろんちゃんとは言えなかった
でもヒデは気づいてくれて
すぐ来てくれた
車の鍵はかかってる。
鍵は固まったあたしの左手にある。
あけられない。
わずかに開いた車の窓しかなかった。
ヒデの手が入りきらない位の窓。
頑張れと叫ぶヒデ
止まらない涙
痛みを増す左手を何とか
窓から少し入ってきたヒデの右手に託したいけど
もう痛すぎて
辛すぎて
悲しすぎて
何度も首を横に振った。
何度目かでやっとヒデの手に届いた
固まったあたしの左手に絡まった鍵は
とれなくて
ヒデはあたしの手の中でOPENのボタンを押した
やっとヒデの手があたしを捉えた
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08/09（火）15:16 | トラックバック(0) | コメント(0) | *サモトラケのニケ* | 管理
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